最終更新日:2022/03/15

リンパ浮腫とは(続発性)

リンパ節を切除する手術や放射線治療などの影響で、リンパ管の働きが損なわれると、タンパク質や脂肪などを運んでいるリンパ液が皮膚や皮下組織にたまり、腕や足などが腫れた状態になることがあります。これを「リンパ浮腫」と言います。

一般的な症状はゆっくり発症して進行することが多く、その他の症状を伴わないことが特徴です。

例えば、乳がんの手術で腋窩のリンパ節を切除したあとに、手術側の腕が腫れリンパ浮腫を発症することがあります。また、婦人科や泌尿器科などの手術で骨盤内のリンパ節を切除したあとには、片足または両足のリンパ浮腫を発症することがあります。

リンパ浮腫とは(続発性)

複合的理学療法とは

スキンケア

むくんだ皮膚は非常にデリケートで乾燥しやすいため、日常的に皮膚を清潔に保ち保湿を行い、傷や感染から守ることが大切です。治療前には皮膚の観察をして小さな異常を早いうちに見つけて対処します。

医療徒手リンパドレナージ

皮膚や皮下組織にたまったリンパ液を正常なリンパ節に誘導し、徐々にむくみを緩和させるために行います。手を用いたゆっくりしたやわらかいマッサージ方法が中心です。

圧迫療法

医療徒手リンパドレナージで浮腫が軽減し皮膚がやわらかく良好になった状態を維持し、さらに改善させるために行います。弾性包帯(バンデージ)や弾性着衣(スリーブ・ストッキングなど)を着用することを言います。

排液を促す運動療法(圧迫した状態でおこないます)

圧迫をした状態で筋肉を使った運動を行うことです。筋肉を動かすと筋肉のポンプ作用でリンパ管の働きを活発にし、排液効果を高めることができます(散歩・ストレッチ・屈伸など)

排液を促す運動療法(圧迫した状態でおこないます) 写真1
排液を促す運動療法(圧迫した状態でおこないます) 写真2

リンパ浮腫外来

対象者

産婦人科や泌尿器科、外科などで リンパ節郭清手術や放射線治療、抗がん剤治療を受けたあとにリンパ浮腫を発症した患者さん。 原発性リンパ浮腫、その他静脈性、全身性浮腫の患者さんで複合的治療の適応と判断された患者さん。 個別にご相談ください。

受診方法

形成外科を受診し、その後、毎週火曜日、水曜日に完全予約制で治療を行います。

火曜日
11時00分~12時30分
13時30分~15時00分
15時15分~16時45分

水曜日
9時00分~10時30分
11時00分~12時30分
13時30分~15時00分
15時15分~16時45分

  1. 形成外科外来を受診していただきます。
  2. 医師が諸検査を行い、リンパ浮腫外来の予約を入れます。その際、リンパ浮腫外来についての説明があり、同意書にサインをいただきます。
  3. 予約日に再来受付機で受付したのち、Cブロックまでお越し下さい。

料金:自費(保険外診療)

当院のリンパ浮腫外来は、専門教育を受けた看護師が行う専門看護外来で、私費(保険治療外)で30分未満 2,200円、30分 3,300円、10分ます毎に1,100円の追加料金をいただいております。1回の所要時間は治療内容によって異なります。 初診の場合、60分~90分です。

弾性包帯や弾性着衣(ストッキングやスリーブなど)などの治療用品別途自己負担となります。

弾性着衣は条件により、療養費払いの対象になる場合と、ならない場合があります。