最終更新日:2025/11/25

 はじめまして。香川県立中央病院 整形外科 専攻医1年目の永野圭悟です。
 私は昨年度、研修医2年目の時に救急科を追加ローテし、ドクターヘリに搭乗する機会を得ました。普段の救急外来とは異なり、朝のブリーフィングや機材点検からすでに“現場”が始まります。限られた情報や資機材で最善を尽くす準備を整える、その空気自体に独特の緊張感が漂っていました。

 私の待機期間は3日間で、実際に出動したのは1件のみでした。電車と人の接触による心肺停止の事案でした。ヘリでランデブーポイントに向かい救急隊と合流。フライトドクター、フライトナースと短いミーティングで役割を確認し、私は物品の準備や救急隊からの情報収集を担い、チームの一員として行動しました。病院のように十分な検査やモニターが揃わない現場では、「今ここで何を優先すべきか」を瞬時に判断する必要があります。限られた時間と空間の中で、声かけの明確さ、手技の正確さ、動線の整理が一層求められることを痛感しました。 結果としては救命の厳しさを思い知らされた出動でした。しかし、現場での意思決定の速さやスタッフ同士の緊密な連携に触れた経験は、いま整形外科医として外傷診療に臨むうえでも確実に生かされています。救急や急性期に関心のある方にはぜひ一度、現場の空気を体験してもらいたいと思います。

文責:整形外科 専攻医1年 永野圭悟

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