最終更新日:2022/03/15

X線-CT検査

X線CTとは、X線を発生するX線管球とその量を測る検出器が、体の周囲を高速で回転しながらX線を照射し、体を透過したX線量の差をデーターとしてコンピュータで処理を行って体の内部画像(体を輪切りにした画像)を作る機器です。

マルチスライスCT

マルチスライスCTとは、1列の検出器でX線管球を1回転で1スライスの画像を収集する従来のCTに対して、体軸方向に複数の検出器を有するのがマルチスライスCTの特徴です。短時間で広範囲の撮影が可能になり、薄いスライス画像の収集・再構成が可能で、より高画質な再構成画像や3Dの作成が可能になります。

当院では、従来からの最小0.27secスキャンが可能な128列256スライスのマルチスライスCT と64列マルチスライスCT1台に加えて、 この度、2019年、1月に最新のマルチスライスCT(高画質、高速化、広範囲)が導入され、3台のCTが稼働しています。 これにより、たった1秒で頭部や冠動脈を撮影できるようになり、また小児、高齢者、救急など様々な状況下において多彩な臨床ニーズに順応し、 幅広い検査応用を提供できるようになりました。

造影CT検査

造影CTとは、X線吸収率の高いヨード造影剤を血管内に注射してから撮影を行うものを造影と言います。 造影剤は体内に注入された後、血流に沿って全身の血管に分布し、各種臓器に到達します。 血管内や血流が豊富な組織が濃く(白く)描出され、画像のコントラストが明瞭になり、より詳細な情報を得ることができます。 撮影の目的に撮影するタイミングが異なり、造影剤の注入速度や造影剤のヨード濃度も検査の目的によって様々に選択されます。 造影剤を急速注入して、様々なタイミングで同じ部位を反復撮影して、腫瘍などの撮影時間ごとの変化を利用して診断をしたり、 動脈内の造影剤濃度が高くなるタイミングで撮影します。 腎機能が悪い患者や小児などに対しては積極的に造影剤量を減らし撮影に臨んでいます。

ワークステーション

ワークステーションとは、CT画像を専用のワークステーションでコンピュータ処理することで様々な情報をもった画像を作ることができ、 血管や骨などの3D画像を作成したり、任意の断面を再構成することができます。 脳などの細い血管にある動脈瘤や動いている心臓の血管の狭窄などの疾病を発見することができます。 これらの画像を提供することで術前評価や術中支援、術後評価画像に役立てています。

放射線被ばく

放射線被ばく(患者さんに対するX線被ばく)には、被ばくという不利益に対して、 「病気がわかると言う利益」または「病気が治ると言う利益」がある場合のみ、医師の支持のもとに撮影を行っています。 放射線検査は必要最小限のみ行い、無駄な被ばくをしないようとどめることが原則です。 装置の最新技術によるさらなる放射線低被ばくが可能となりましたが、 放射線技師は、最低限の被ばくで最大限の画像が出来るように日々努力しています。