最終更新日:2022/08/05

ハイブリッド室を利用した手術

小型肺病変で見ても触れてもわかりにくいようなものに対して、ハイブリッド室でcone-beam CTを使用して胸腔鏡手術を行っています。従来は術前にCTガイド下にマーカー針を体表から病変部近くの肺に刺入していましたが、この方法では肺に針が刺さった状態になるため合併症を起こすことがあります。気胸や出血のほかに、重篤なものとして空気塞栓が挙げられます。そのため近年、針で直接刺さない方法が各種考案されてきました。どれも一長一短ありますが、2014年の新病院開院時にハイブリッド室が手術室内に設置されたのでそれを利用したマーキング方法(しるし付け)を導入しました。それによって確実性が向上するとともに、空気塞栓などの合併症を回避することができます。

全身麻酔導入後にcone-beam CTを撮影しておきます。胸腔鏡手術を開始し、CTを撮りながら正確に病変部を同定してその近くに小クリップでマーキングを行います。そして、それを目印にして病変部を含めて肺を切除します。

ハイブリッド室を利用した手術写真