最終更新日:2022/03/15

肝・胆・膵(脾)

肝・胆・膵(脾) 図

肝胆膵(脾)は、互いに近接し関連しあった臓器のため消化器疾患の中でも独立して扱われることが多い分野です。
当施設は、過去の多くの治療経験数から、肝胆膵外科学会において肝胆膵高度技能医修練施設(B)に登録されています。
手術は複雑な手技を必要とし、また合併症に対しても特殊な手技を要するため専門性の高いチーム医療が重要となります。肝胆膵外科医・内視鏡治療医・肝臓専門医・IVR(放射線医)など、互いに連携して安全性と根治性の高い治療を目指しています。
肝胆膵疾患としては癌から良性疾患まで幅広く取り扱っています。

当院で外科的治療を行った代表的疾患

  1. 肝疾患:
    良性 ・・・ 肝嚢胞・肝内結石症・血管腫など
    悪性 ・・・ 肝細胞癌・肝内胆管癌・転移性肝癌など
  2. 胆嚢・胆道疾患:
    良性 ・・・ 胆嚢結石・総胆管結石・胆嚢炎・先天性胆道拡張症など
    悪性 ・・・ 胆嚢癌・胆管癌・Vater乳頭部癌など
  3. 膵・脾疾患:
    良性 ・・・ 慢性膵炎・仮性膵嚢胞・ITP・脾機能亢進症・脾腫瘍など
    悪性 ・・・ 膵癌・転移性膵癌・嚢胞性膵腫瘍(IPMN、MCN)・神経内分泌腫瘍など

肝・胆・膵癌の各種治療

  1. 内科的治療:
    ラジオ波焼灼術・血管塞栓術・内視鏡的ステント挿入術など
  2. 手術治療:
    各種の開腹手術に加え、腹腔鏡下手術(一部の肝癌・低悪性度膵疾患・脾疾患・良性胆嚢疾患などが適応)も行っております
  3. 化学療法:
    全身化学療法・肝動注治療など
  4. 放射線治療:
    主に膵癌の疼痛などに対する緩和目的での体外照射

肝・胆・膵癌に対する手術治療

  1. 肝癌:
    肝部分切除・亜区域切除・区域切除・葉切除など
  2. 胆嚢・胆管癌:
    胆嚢切除・肝床部切除・肝区域切除・膵頭部十二指腸切除・肝+膵頭部十二指腸切除など
  3. 膵癌:
    膵頭部十二指腸切除・十二指腸温存膵頭部切除・膵体尾部切除など

当院における治療

肝癌

治療法として、血管塞栓術・ラジオ波焼灼術など内科的治療と肝切除など外科的治療があります。当科では肝臓専門医の内科医と連携のもと治療法を選択し決定しております。
多くの手術を経験した高度技能指導医(約300例経験)がおり、安全な手術として確立されております。術後の平均在院日数は約10日で短期の入院が可能となっております。
また近年保険適応となった腹腔鏡下手術も行い(これまでに30例ほど施行)、従来の大きな切開創を小さな創部で行い、術後早期回復を目指しております。
当院での肝切除後の5年生存率は約60%であります。

当院における治療 肝癌 図1
当院における治療 肝癌 図2

<腹腔鏡下肝切除術の映像>

ここより先に設置している映像は、医療関係者の方に情報提供することを目的として作成されています。
一般の方への情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。

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カテーテルによる塞栓術
カテーテルによる塞栓術

胆道癌

治療に関しては、切除が第一選択と言われています。発生部位により上部・中部・下部胆道癌に分類され、肝切除・胆管切除・膵切除を組み合わせて手術を行います。
複雑な手技を要する手術でありますが、肝胆膵外科学会認定の高度技能指導医のもと積極的に手術に取り組んでおります。合併症に対する対応も他の専門医と連携して行っております。
また慢性胆のう炎にて切除後、悪性が判明する症例も時に認めますが、2期的切除などにて対応しております。抗がん剤治療も重要で、最新の抗がん剤メニューを導入して治療成績向上を目指しております。

膵癌

治療に関しては、切除が第一選択と言われており取り残しなく切除できるかが重要なポイントになります。解剖的に複雑な部位であるため再建方法において高度な手技を要する場合があります。合併症に対する対応も重要で、内視鏡専門医・IVR専門の放射線科医などとも連携し治療にあたっております。
当院では、特に肝胆膵疾患関連の高難度手術を年間約40数例ほど行っており肝胆膵外科学会で定められた高度技能医修練施設に認定されております。
また術後化学療法に関しては、外来通院センターにて安全に治療が行える体制のもと施行しております。当院での最近の手術+術後化学療法の成績は、3年生存率で約30%であります。

幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(Pylorus-preserving Pancreatoduodenectomy)
幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(Pylorus-preserving Pancreatoduodenectomy)

<腹腔鏡下脾温存膵体尾部切除術の映像>

ここより先に設置している映像は、医療関係者の方に情報提供することを目的として作成されています。
一般の方への情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。

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肝胆膵疾患の手術成績

当院における肝手術544例の術式別症例数(1989.1~2011.12)

当院における肝手術544例の術式別症例数(1989.1~2011.12)

当院における肝切除術の疾患別症例数(1989.1~2011.12)

当院における肝切除術の疾患別症例数(1989.1~2011.12)

当院における肝細胞癌の切除例の予後(Overall survival)

当院における肝細胞癌の切除例の予後(Overall survival)

日本肝癌研究会の全国成績と比較しても遜色のない術後成績と考えられる。

浸潤性膵管癌(Stage III・IV)の術後成績

浸潤性膵管癌(Stage III・IV)の術後成績

一般的な膵癌の術後成績です。
前期症例の生存中央値が約1年に対し、後期症例では約2年となっています。
新規抗癌剤(ゲムシタビン、TS-1)の保険適応に伴い、術後成績が改善しています。