最終更新日:2024/03/05

認知症について

 認知症とは、記憶力や理解力、判断力、言語能力、計算能力などの認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす病気です。認知症は慢性あるいは進行性の脳疾患によって生じます。
代表的な認知症としては、アルツハイマー型認知症、前頭側頭型認知症、Lewy小体型認知症、血管性認知症の4つが有名です。

・アルツハイマー型認知症
認知症の約50%を占める疾患です。脳内に「アミロイドβ」というたんぱく質がたまる「アルツハイマー病」を背景として発症する認知症です。記憶力の低下から始まることが多く、進行するにつれて仕事の段取りがうまくできなくなる、日付や場所がわからなくなる、ということがみられます。身体機能には影響がでにくいことも特徴のひとつです。

・前頭側頭型認知症
前頭側頭型認知症は、前頭葉や側頭葉の神経細胞が変性することで発症します。周りへの配慮ができにくくなったり、こだわりや・易怒性などの性格変化が目立つと言われています。
ほとんどの患者さんは70歳より前に発病すると言われています。

・レビー小体型認知症
レビー小体型認知症は、脳内に「αシヌクレイン」といたんぱく質のかたまりである「レビー小体」という構造がみられることから名付けられた病名です。動作や歩行が遅くなる、手足が震える、といったパーキンソン病の症状を伴うことが多いのが特徴です。認知機能の低下に加え、幻視や妄想などの精神症状が目立ちます。

・血管性認知症
脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳血管障害が原因となり発症する認知症です。障害の部位によって症状は様々です。早い段階から歩行障害や手足の麻痺などの身体症状を伴っていることが多いです。

 認知症は加齢に伴って生じることが多い病気なので根本的に治す方法はまだ確立されていません。しかし、薬物療法、リハビリテーション、生活習慣の改善によって、症状の進行を遅らせることができる場合もあります。
また、認知機能低下を生じる病気としては、正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫のように手術で改善するものや、ホルモン異常やビタミン欠乏症など内科的な治療で改善するものなど様々なものがあります。気になる症状がある場合は、まずは医療機関に相談し、それぞれのタイプに適した対策を立てることが重要です。