最終更新日:2022/09/20

腎臓・膠原病内科の実績

腎生検件数 および腎炎・ネフローゼ症候群の治療

年間腎生検は40件程度であり、当科では2泊3日の入院スケジュールで腎生検を施行しています。抗凝固薬を内服中、あるいは貧血等を認める症例については、さらに数日前から入院していただいています。検査にかかる時間は15分程度ですが、検査後、仰臥位で8時間床上安静が必要となります。腎生検に伴った合併症なく経過すれば、検査翌日は病棟内で安静を保ち、検査後3日目に退院となります。若年者に多いIgA腎症に対しては、耳鼻咽喉科に依頼し扁桃腺摘出術を行い、その後ステロイド・パルス療法を行うことで、寛解を目指した治療を行っています。また、ステロイドに対して抵抗性のあるネフローゼ症候群に対しては、ステロイド療法に加え、免疫抑制療剤を併用することで高い寛解導入率を達成しています。膠原病関連腎症や高齢や合併症を持った患者さんにも対応しています。

  2018年 2019年 2020年 2021年
腎生検 33 39 37 45

維持透析導入患者数 および腎センターの役割

2021年の1年間で、透析導入した患者さんは約60名です。新たに透析を始める患者さんには、ご本人の希望に応じて腎代替療法選択外来を受診していただき、血液透析もしくは腹膜透析を選んでいただいています。約9割の患者さんが血液透析を選択されています。透析導入(血液透析、腹膜透析)された患者さんは、利便性を考慮し、最寄りの透析医療機関へ紹介させて頂いています。 当院では、約35名の血液透析患者さん、約40名の腹膜透析患者さんが外来通院されています。そのほか、潰瘍性大腸炎に対する白血球除去療法や、様々な自己免疫疾患に対する血漿交換療法、免疫吸着療法などの特殊血液浄化を行っています。また、最寄りの医療機関で透析治療をされている方が、他疾患による検査や加療を行うため当院入院された際の透析管理を行っています。

過去1年間の生物学的製剤・分子標的治療薬投与患者数

 現在、関節リウマチ患者さんに対して生物学的製剤が積極的に使用されています。2021年の実績では、当院では約120名のリウマチ、膠原病患者さんに生物学的製剤・分子標的治療薬を導入しています。なお当院では整形外科クリニックとの連携を重視しており、生物学的製剤の適応、投与前スクリーニング、投与後に併発した合併症への対応を行っています。