はじめまして、香川県立中央病院　研修医2年　西本志緒里です。
香川県では令和3年度からドクターへリが導入され、当院も香川大学附属病院とともに香川県のドクターヘリ基地病院となっています。研修医2年目で救急科を選択すると、フライトドクター、フライトナースとともにドクターヘリ診療に同行することができます。
ドクターヘリの要請があると、すぐに屋上のヘリポートに上がってヘリに乗り込み、現場へ向かいます。まず得られるのはわずかな情報だけで、ヘリに乗ったあとに患者のバイタルサインなどを救急隊や県中のERから追加で確認します。

　私は4件の覚地・現場要請、1件の転院搬送に同行することができました。脳卒中疑いでの要請ではCPSSやELVOスクリーンの評価をしたり、CPAでの要請ではポータブルエコーや薬剤投与をしたり、微力ながら診療に関わることができとても貴重な経験になりました。「送り込み」という、ランデブーポイント（ヘリの到着場所）から救急車に乗り換えて現場に向かった事例もあり、印象に残っています。

　実際にドクターヘリ診療に同行してみて、とても緊張感のある現場だということを強く実感しました。患者の状態を把握して適切な処置を素早く、かつ限られた空間・物品でしなければならないところが本当に難しく思いました。しかし、上級医やフライトナースの方たちはどのような場面でも冷静に、的確に診療されており、強く尊敬の念を抱きました。

　初めは自分がドクターヘリに乗る選択をするとは思っていませんでしたが、なかなかできない経験だと思いやってみることにしました。不安は大きかったですが、やってみて本当によかったと思っています。また、このような機会を下さった先生方や看護師さんに感謝しています。少しでも興味があれば、ドクターヘリにチャレンジしてみて下さい！

文責：香川県立中央病院　研修医2年　西本志緒里