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診療内容(脳神経外科)

新型コロナウイルスと脳卒中

新型コロナウイルスの感染拡大は、市民の行動や生活様式に変化をもたらし、すべての国民に甚大な被害をもたらしていますが、実は隠れたところで脳卒中の発生リスクを上昇させています。

  • ⒈ コロナ禍による生活様式の変化は、脳卒中の発生リスクを上昇させています。
  • ⒉ 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、脳卒中併発リスクを上昇させます。

コロナ禍による脳卒中発生リスク上昇

コロナ禍により自粛を余儀なくされた生活では、食生活の変化、運動不足など生活習慣が乱れ、高血圧症、糖尿病、脂質異常症などを発症、悪化することは十分に考えられます。
これらは脳卒中発症のリスク因子であり、この状況が長期化すれば、脳卒中発症へと繋がります。

また、外出を控えるあまり、医療機関への受診を控えたり、検診を中止したり、あるいは在宅療養の長期化に伴う運動不足も、脳卒中の発症や再発に繋がると考えられます。

コロナ感染による脳卒中併発リスク上昇

新型コロナウイルスに感染した場合、高齢者や高血圧症、糖尿病などの基礎疾患があると重症化することはよく知られていますが、重症化した方では脳卒中、特に脳梗塞の発症率が高いと言われています。その要因のひとつは、血栓症の併発です。
血栓症というのは、血液が血管内で異常に固まってしまい、血液の固まりが血流を妨害してしまうことです。
新型コロナウイルスが血液を固まりやすくするメカニズムは十分には解明されていませんが、感染による炎症や、血管内皮障害、免疫反応などが関与していると言われます。新型コロナウイルスが肺胞上皮細胞や血管内皮細胞に感染すると、下の図のように、単球や好中球などの免疫細胞からインターロイキン(IL-1、IL-6、IL-10)などのサイトカインと呼ばれる物質が過剰に放出され、サイトカインストーム(嵐)と呼ばれる状態を引き起こします。
その結果、血液の固まりやすさ(凝固能)が上昇して、血栓が形成されることになります。

脳梗塞以外に、くも膜下出血や脳出血を併発した患者さんの報告もありますが、いずれにしても、新型コロナウイルスに感染している患者さんの脳卒中の予後は、極めて不良です。

血液の固まりやすさの発生メカニズム

      新型コロナウイルス感染症における血液の固まりやすさの発生メカニズム

予防が大事

生活習慣の改善、検診によるリスク因子の評価と治療による脳卒中一次予防、定期的通院による脳卒中再発予防は、このような流行下だからこそとても重要です。

脳卒中予防策

  • ⒈ 生活習慣の改善:食事、運動
  • ⒉ 基礎疾患の治療
  • ⒊ 感染予防

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