最終更新日:2022/04/15

指導医からのメッセージ

プログラム責任者
卒後臨床研修センター実務部会 顧問
大橋 龍一郎(外科 院長補佐)

学生のみなさまへ

医学生の皆さんこんにちは。新臨床研修制度は基本理念にも述べられているとおり「将来専門とする分野にかかわらず、一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できる医師を育てること」を目的として、平成16年4月に開始されたものです。

これは専門分野に偏りすぎていた旧来の研修制度の反省に基づいています。本来、専門医とは広範な医学知識、技術、経験の上に築かれるものであって、ある程度の時間と労力が必要です。幅広い臨床トレーニングが医学生時に行えれば良いのですが、残念ながら卒前の臨床教育システムが整備されていない現状のわが国においては、それを補うべく卒後臨床研修を追加せざるをえないわけです。所詮2年間で何かできるの?と反論する方もおられるでしょう。けれども、今までの当院の初期臨床研修医を見る限りは、20数年前に研修医だった私自身よりもはるかに高レベルの医療技術を習得され、医師としてバランス良く確実にキャリアを積み重ねているように思います。懐疑的になって立ち止まるよりも、積極的に挑んでいくべき2年間ではないでしょうか。

大橋龍一郎

当院は約60年間にわたり香川県医療の中核を担ってきました。したがって、県民の期待に応えるべくフルスペックの総合病院としてプライマリケアから高度医療まで広範囲の医療分野をカバーしながら今日に至っています。当院の研修プログラムはこの病院の特性が最も活きる内容にしています。自分ならこんな研修を受けてみたい、後輩にはこんな研修を受けてもらいたい。という内容です。指導医も各分野にしっかりとしたプロがそろっています。初期臨床研修の2年間は皆さんが自由に選べる最初で最後のときです。専門分野に入ってしまうと、関連分野であっても違う科の研修を受けるのは容易でありません。自分はどんな医師になりたいのか、一生の仕事として医師を続けていく上で何を大事にするのか。どの道に進む方にとっても医師として働く初めての2年間は忘れがたい経験になると思います。総合医を目指す方、ある分野の専門医を目指す方、いずれにとっても期待に応えられるプログラムであると確信しています。是非、我々のところへいらしてください。ともに研鑽しましょう。

卒後臨床研修センター実務部会 委員
川上 公宏(血液内科 副院長)

卒後臨床研修は、香川県中に「まかしまい」!

香川県立中央病院の玄関前広場に「まかしまい」という名前のフクロウのモニュメントがあります(写真参照)。世界的な彫刻家の流政之さん寄贈で、「お任せ下さい」という思いを讃岐弁で表現したものです。当院の研修医・上級医・指導医はこの精神をバックボーンとして日々の診療に当たっています。また臨床研修にも同様の精神で臨んでいます。

当院は、県立中央病院という名称が示す通り地域医療支援が病院の使命であり、救急医療から高度先進医療までを担当することで地域の支援をしています。必然的に多種多様な疾患を診療しており、幅広い臨床経験を積むには良い環境にあります。研修体制は、指導医と上級医が協力して、実践的でより細やかな指導ができる様になっています。その中で先輩研修医からの直近の経験に基づいたアドバイスが得られるシステムが自然発生的に構築されています。また研修医宿舎も研修室も完備されており、その他福利厚生も充実しています。

川上 公宏

当院での臨床研修の特徴をまとめると以下の3点に集約されます。
(1) 基礎的医療(プライマリーケア)と専門的医療との両方の経験ができる。
(2) 座学より実践的な研修を大切にしている。
(3) 屋根瓦方式の教育システムを構築している。

初期・後期臨床研修の施設を検討中の皆様、卒後臨床研修は香川県立中央病院にどうぞお任せ下さい。

卒後臨床研修センター運営委員会 委員
青江 基(外科 副院長)

香川県立中央病院での初期臨床研修を考えている医学生の皆様へ

我々の病院の初期臨床研修プログラムの特徴は、厚生労働省が定める研修プログラムに準拠し、さらにそれをより有効に活用すべく、選択必修科目、選択科目の決定については、各研修医と指導医が相談しながら、一人ひとりに最も適したオーダーメイドのカリキュラムを編成しています。また、研修体制は1月ごとにチェックされ、アップデートするようにしています。そのことが評価され、日本臨床研修機能評価機構より4年間の評価認定を受けています。

研修は、基本手技の習得にはじまり、救急医療(1次~3次)や集中治療、疾患に対する系統的アプローチやcommon diseaseの経験など、すべての医師に必要な基礎的臨床能力を身に付ける研修を重視しています。さらに、各分野には、高次医療に対応できる指導医が網羅されており、最新の医療技術を経験することができます。

青江 基

「医師としての人格を涵養し、将来の専門性にかかわらず、医学・医療の社会的ニーズを認識しつつ、日常診療で頻繁に遭遇する病気や病態に適切に対応できるよう、基本的な診療能力(態度、技能、知識)を身につける。」事を目標に、2年間、指導医と主に、仕事をして行きましょう。皆さんと、一緒に仕事が出来ることを楽しみにしています。

卒後臨床研修センター実務部会 委員
佐々木 和浩(救命救急センター 部長)

医学生のみなさんへ

学生のみなさん、こんにちは。当院のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。簡単ではありますが、当院の救急外来(ER)を紹介したいと思います。

当院はご存じのとおり三次救急指定病院として、幅広く救急患者さんの受け入れをしています。平成27年の1年間の救急外来の受診者総数は約12,000人で、そのうち救急車での搬送が約3,600人、ヘリでの搬送が60人となっています。1日あたりざっと約30人の患者さんを受け入れている計算になります。患者さんの疾患は多種多様にわたります。脳卒中、心筋梗塞、(重症多発)外傷、呼吸器疾患、消化管疾患、薬物中毒・・・などなど。そして特筆すべきは心肺停止患者さんが多いということです。平成27年は173人の心肺停止患者さんの治療にあたりました。BLSやALSを実践する機会が多くあります。大半は厳しい結果になることが多いのですが、中には社会復帰までされる方もいらっしゃいます。

佐々木 和浩

しかし、当院ERでは命の危機に瀕しているような重症な患者さんばかりを診療しているのではありません。地域の病院やクリニックからの紹介患者さんや、直接ERへ来られる患者さんもいらっしゃいます。そして、そのほとんどの患者さんに対して、初期研修医の先生方には時間の許す限り、初療から参加してもらっています。患者さんへのアプローチから始まり、バイタルサインを確認し、必要な処置や検査を行い、これらを総合的に判断して、診断まで考えていきます。もちろん一人で行うのではなく、2年目の研修医の先生や救急担当医などと一緒に診療にあたりますので、安心してください。そして全科バックアップ体制が完全に確立していますので、最終的には当該科に引き継がれ、根本治療を受けることになります。

当院で2年間の初期研修を積んでいけば、かなりたくさんの疾患や外傷に接することが可能です。他院ではなかなかお目にかかれない稀な疾患にも遭遇しますが、一方でプライマリケアに必要な基本的な手技や処置、診断法もきちんと学べます。そして月に1度、診断や治療に難渋した症例についてカンファレンスを行い、プレゼンテーションもしてもらいます。忙しい半面、みなさんの医師としてのやる気があれば、かなり充実した毎日を送ることができます。

ぜひ、私たちと一緒に医師としての第一歩を踏み出してみませんか。みなさんの先輩方もそうであったように、初期研修終了後は自信に満ちた、いい顔で後期研修へと入っていただけることをお約束します。