最終更新日:2022/03/15

重心動揺検査について

めまい・ふらつき(重心動揺検査:ニューラルネットを用いた障害部位の診断)

めまい・ふらつきの頻度は多く、厚生省の国民生活基礎調査によると約240万人にのぼります。 めまい・ふらつきの感じ方は、“ぐるぐる回る”、“雲の上を歩くようにふわふわする”、“ 谷底に引きずり込まれるように感じる”、“足元がおぼつかない”、など様々です。 めまい・ふらつきは体のバランスを保つ機能に障害が起こると生じますが、 その原因は脳(小脳、脳幹、視床、大脳皮質)や耳(三半規管、耳石器、前庭神経)から生じる事があります。

従来の重心動揺検査では障害部位を判断することは難しいとされていましたが、 今回、ニューラルネット(neural network, NN)解析(脳・神経系に学ぶ情報理処理)を重心動揺の識別に応用する事で、 脳や耳からのめまいをそれぞれ、67%、72%の割合で識別できたとの結果もあり、NNを用いた重心動揺の識別は、 日常診療で活用できる段階に達したと考えられています。検査方法は、被験者が計測装置をつけることなく、 検査台の上に起立するだけで行える検査です(下図)。更に、めまい・ふらつきの原因診断における重心動揺計の役割は、 神経診察や画像検査等と組み合わせて利用する補助診断ですが、病巣について一つの情報を提供してくれる検査です。

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