腫瘍部位と診療科

当院のがん診療は、それぞれの臓器ごとに「ガイドライン」を定めて治療を行っています。がん化学療法(抗がん剤等)も共通の治療計画(レジメン)を使用しています。キャンサーボードは臓器別のものとしており、多診療科と多職種で治療方法を検討・決定しています。

臓器 診療科
脳神経外科
頭頚部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科歯科・歯科口腔外科
呼吸器 呼吸器外科呼吸器内科
乳腺 乳腺・内分泌外科
食道・胃・大腸 消化器・一般外科消化器内科
肝臓・胆嚢・膵臓 肝臓内科消化器・一般外科消化器内科
腎・男性生殖器 泌尿器科
女性生殖器 産婦人科
皮膚 皮膚科
骨軟部 整形外科
造血器 血液内科
放射線治療 放射線科
化学療法サポート 腫瘍内科
リハビリテーション リハビリテーション科
症状緩和 緩和医療科

臨床試験

当院では患者さんを対象に、薬剤や医療機器、治療方法、診断方法の安全性や有効性を確認するために臨床研究を行っています。

臨床研究のうち、患者さんへの介入を伴うもの(その研究で評価される治療法や診断等が実際に行われるもの)を臨床試験と呼びます。

また、臨床試験のうち、厚生労働省から薬剤等の承認・認可を得るために行われるものを「治験」、既に承認・認可された薬剤の使用情報の収集や有効性、安全性の検証を行うために行われるものを「製造販売後臨床試験」と呼びます。

治験等は、実際に患者さんに協力していただく必要があるため、患者さんの福利に対する配慮が科学的及び社会的利益よりも優先されなければなりません。人間の尊厳及び人権を守りながら行われる必要があります。

このような臨床試験を行うにあたって、国(厚生労働省)は、「薬事法」、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(GCP)」及び「臨床研究に関する倫理指針」を定めています。治験を行うためには、製薬企業や治験を実施する医療機関、医師らが守らなければならない基準が法律で定められており、現在行われている治験はすべてこの基準に則って実施されています。治験を実施する際には、その治験が倫理的・科学的に問題ないかどうか、事前に審査を受けた上で実施されることや、患者さんにその治験についてわかりやすく十分な説明を行い、正しく理解していただいた上で、自由意思により参加していただかなければならないことなどが定められています。

治験に参加することは、薬の開発にボランティアとして参加するという意義だけではなく、現在市販されている薬よりも、より優れていることが期待される薬や、欧米ではすでに薬として認められているが日本では未承認のため治験でしか使うことのできないような薬を、より早く使うことができるというメリットが得られる場合もあります。

地域がん診療連携拠点病院

質の高いがん医療の全国的な均てん化を図る(地域格差をなくする)ことを目的に厚生労働省が指定した病院で、診療体制、研修体制、情報提供体制の3項目について指定要件が盛り込まれています。

これらの病院ですべてのがん患者を診療することを目的としておらず、他の医療施設と連携して地域がん診療のレベルアップをすることが大切とされています。

香川県には以下の4施設があります。

2次医療圏に1カ所程度を目安に整備するとされている「地域がん診療連携拠点病院」は、以下の3施設で、当院もこれに含まれます。

  • 香川県立中央病院(高松市)
  • 高松赤十字病院(高松市)
  • 香川労災病院(丸亀市)

「都道府県がん診療連携拠点病院」として、香川大学医学部附属病院(木田郡三木町)が指定されています。

香川県はいずれの医療圏にも比較的短時間でアクセスできるという特徴があり、全県あげての医療連携が行いやすい環境にあります。当院も医療施設や行政を包括した医療連携を目指しており、香川県が日本のがん医療連携をリードできるようにしてゆきたいと考えています。