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肺血栓塞栓症とその予防について

肺血栓塞栓症とは?

肺血栓塞栓症とは、肺の血管に血のかたまり(血栓)が詰まって、突然、呼吸困難や胸痛、ときには心停止をきたす危険な病気です。この病気は、長時間飛行機に乗った際に起きることもあり「ロング・フライト血栓症」とか「エコノミークラス症候群」と呼ばれ、マスコミにも取り上げられましたが、長期入院中や手術後にも発生します。

肺血栓塞栓症の原因

肺血栓塞栓症は、太ももやふくらはぎの筋肉の層にある静脈(下肢深部静脈)に血栓ができ、その血栓が何らかの拍子に肺に到達して発症します。血栓ができる主な原因は足の血流が悪くなることですが、特に次のような場合に深部静脈血栓ができやすくなります。

肺血栓塞栓症の予防

肺血栓塞栓症の予防は、その原因となる深部静脈血栓症を予防することです。
当院では、患者さんの状態に応じて、以下のような予防策をとらせていただきます。

■下肢の深部静脈の流れを促すために
  • 圧迫ストッキングの着用
    下肢の深部静脈の流れを促すために足先から太ももにかけて、徐々に圧迫が弱まる特殊なストッキングを履いていただきます。現在、最も一般的な予防法のひとつです。
  • 弾性包帯の使用
    圧迫ストッキングがサイズ的に下肢に適合しないときや、特に圧迫の程度を調節する必要がある場合に、足から下腿に弾性包帯を巻きます。
  • 足や下腿への圧迫ポンプ装備
    足や下腿に巻いたバッグに断続的に空気を送り込み、圧力を変化させます。
  • 抗血栓剤の投与
    血液を固まりにくくする薬を使用して血栓の発生を予防しますが、出血の危険性が高い患者さんには使用できません。
  • 足の運動
    歩くことができない場合でも、積極的にベッド上で足を動かし、血栓を予防します。
■下肢深部静脈血栓症が発生した場合に肺血栓塞栓症を防ぐために
  • 下大静脈フィルターの留置
    発生している血栓が小さいものであれば、抗血栓薬を使用して経過を見る場合が多いですが、大きいものであれば、下肢から心臓へ戻ってくる下大静脈にフィルターを設置して血栓が心臓へ流れ込まないようにします。一般的には抗血栓剤も使用します。

特に危険因子をお持ちの患者さんは、特殊な体位をとる手術、長時間の手術、腹腔鏡手術、下腹部あるいは下肢の手術の際や術後、また安静臥床中に血栓が発生しやすくなりますので、とりわけ下肢部静脈血栓症の予防が大切となります。予防策を講じれば100%安全という訳ではありませんが、危険な肺血栓塞栓症を少しでも回避するため皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
なお、患者さんそれぞれに適した具体的予防策につきましては、主治医から説明がありますので、ご不明点はお尋ねください。

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