最終更新日:2022/03/15

顎口腔腫瘍(悪性腫瘍、良性腫瘍)

顎口腔領域の軟組織や顎骨に発生す る腫瘍には良性腫瘍と悪性腫瘍があ り、悪性腫瘍には癌腫、肉腫、悪性 黒色腫、悪性リンパ腫、悪性唾液腺 腫瘍などがあります。悪性腫瘍の大部分は癌腫で、舌癌、歯肉癌 (下顎癌 上顎癌)、口底癌、頬粘膜癌などが多く みられます。 本領域の悪性腫瘍は 直接咀嚼 (そしゃく 噛みくだく) 嚥下 (えんげ:のみこみ)、発音などの、顎口腔機能に関わる疾患で、その治療に は機能の温存のみでなく整容的な面 を考えた治療が必要です。また腫瘍 切除後の機能的・形態的再建手術 (特に最近では歯科インプラントを用いた口腔機能再建) も多く行われます。

口腔顎顔面外傷

口腔顎顔面外傷は顔面皮膚や口腔粘膜などの軟組織の損傷だけにとどま らず、歯や歯槽の損傷・上顎骨・下顎骨・顎関節突起・頬骨・頬骨弓・鼻骨・眼窩など、顔面を形成する骨の骨折を伴う場合が多くみられます。その結果、かみ合わせや口、顎の機能まで損なうことがあ ります。口腔外科では、外見の損傷の 治療だけでなく 、かみ合わせなどの機能の回復を視した治療 (最近では歯科インプラントを含めた包括的機能再建治療) を行いま す。

顎関節疾患

あごの関節やその周囲に痛みが生じたり、口をあけることができないなどの顎関節の疾患を治療いたします。

顎関節症は歯科の三大疾患の1つと もいわれ顎運動時の疼痛、開口障害、 関節雑音などの症状を伴う顎運動機能の障害を特徴とし、口腔内にスプリント(マウスピースに似た装置) を装着したり、関節腔を洗浄したり して治療を行います。その他にも顎の関節の先天異常および発育異常、脱臼、顎関節骨折などの外傷性病変、リウ マチによる関節炎、変形性関節症など多くの疾患があります。

口唇裂(こうしんれつ)と口蓋裂 (こうがいれつ)

出生時、口唇や顎、口蓋にさまざまな程度の裂がみられるもので、体表の先天異常の中で最も代表的なものです。哺乳障害、顎発育障害、言語障害、聴覚障害、その他の先天異常の合併などに対し患児の成長発育に沿った外科的療法、言語療法、顎および歯列矯正治療などの一貫治療を行い、先天異常によって生じた外見 やかみ合わせなどの異常を回復する治療を行います。

歯の欠損症(歯科インプラント)

大切な歯を失った場合にあごの骨に人工の歯根・インプラントを埋め込み、その上に人工の歯をつくります。

失った歯の修復法として、従来はブリッジや入れ歯を入れることに より機能を補ってきました。しかしこうした代用物には、隣の健康な歯を削らなければならない、上手く噛めない、食べられないといった問題がありました。 インプラントであれば、天然の歯とほとんど同じ感覚で噛んだり、話したりといった良好な顎口腔機能を営むことがきます。特に骨が十分にない場合でも、各種骨再生療法を用いることで、安全安心なインプラント治療が可能です。またCTによる評価を行うことで、確実な診断と治療計画が立てられます。

顎変形症

顔の変形(ゆがみ、ねじれ)と、かみ合わせの異常を起こしている状態、いわゆる”受け口”や”出っ歯”などです。手術(骨きり術)と矯正歯科治療の併用により、良好な咬合の獲得と顔のねじれやゆがみ、表情などの審美的改善を目的とします。