最終更新日:2022/08/03

その他の疾患

当科では、以下のような疾患に対しても積極的に治療を行っています。

転移性肺腫瘍

他の臓器のがんより肺に転移した腫瘍に対しても、胸腔鏡を用いて積極的に切除しています。最近では、大腸がん由来の肺転移の手術症例が増加しつつあり、数個ある転移でも切除することにより、予後が改善することがあります。

診断未確定の肺病変

悪性を否定できない肺病変に対して、確定診断のために肺の一部を切除します。ほとんどの場合、胸腔鏡下手術が可能で、良性であれば術後1週間以内に退院となります。

炎症性肺・胸膜病変

肺真菌症や肺抗酸菌症などの炎症性の肺疾患に対して、外科的に治療を行うことがあります。これらの疾患は慢性的に経過し、手術の際には癒着がひどいため難渋することが多く、むしろ肺がんの手術より難しい場合があります。また、内科的に治療が難しい急性胸膜炎・膿胸に対して、積極的に胸腔鏡手術を行います。

重症筋無力症

重症筋無力症は、免疫異常が関係するとされ、難病の1つです。原則として、まず内科的治療が行われますが、外科では胸腺とその周囲の脂肪組織を広く取り除く拡大胸腺摘出術を行います。従来は開胸で手術が行われていましたが、最近では胸腔鏡やロボットを用いて行う施設が増えています。

胸膜腫瘍

胸膜という薄い膜より、腫瘍が発生することがあります。良性の場合は、最近では胸腔鏡を用いて切除することがほとんどです。悪性のものとしては悪性胸膜中皮腫といった疾患があり、外科では胸膜肺全摘術や胸膜切除・剥皮術という大きな手術を行うことがあります。

多汗症

当科では、胸腔鏡下に交感神経節を切除する手術を行います。