最終更新日:2022/03/15

食道

食道の病変は内視鏡検査を行わなければ診断が困難です。食道癌は早期に発見できた場合には内視鏡治療が可能であり、最近ではESD(粘膜下層切開剥離術)により広い病変でも切除が可能となりました。近年食生活の欧米化に伴い近年胃食道逆流症(GERD)・逆流性食道炎が増加傾向です。当科では積極的に投薬治療を行っています。また逆流性食道炎の増加に伴いバレット腺癌もしばしば発見されるようになりました。これも早期発見できれば内視鏡的治療が可能です。肝硬変症に伴い出現する食道・胃静脈瘤は大きくなると大出血をきたすことがあるため内視鏡的治療(硬化療法・結さつ術)を行うなど、肝臓内科や消化器外科との連携も重視しています。

逆流性食道炎

近年食生活の欧米化やヘリコバクターピロリ菌感染率の低下などに伴い、胃食道逆流症(GERD)・逆流性食道炎が増加傾向です。いずれも生活の質を損なうため積極的に薬物療法を行っています。また酸逆流により食道粘膜がバレット粘膜に変化し、そこから発生するバレット腺癌も報告が増加傾向です。バレット腺癌も早期に発見できれば内視鏡治療が可能であり、NBIを用いた早期診断を行っております。

食道癌

近年NBI(狭帯域内視鏡システム)という内視鏡観察機器が開発され、微小な粘膜表面の血管構造観察が可能となり癌の早期診断が進歩しています。当科では全検査台でNBI観察が可能であり、早期食道癌の拾い上げを行っております。NBIに拡大内視鏡観察を併用することでさらに正確な深達度診断が可能となり、粘膜層内にとどまる早期のものに対しては積極的にESD(粘膜下層切開剥離術)により内視鏡治療を行っています。内視鏡治療困難な症例は消化器外科・放射線科と連携し手術・放射線化学療法などを行います。